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大学生になった皆さんへ

大学生活においてぜひ知っておいて欲しいことや別に知らんでもいい豆知識などを書いていきます。順次付け足してゆくので項目の順番には特に意味はありません。京都市立芸術大学の学生を念頭にして書かれていますが、それ以外の大学にも概ね当てはまると思います。

大学生は「生徒」ではなく「学生」と呼ぶのがオススメです

大学生になった皆さんは、「生徒」ではなく「学生」と呼ばれるのが一般的です。学校教育法では、児童、生徒、学生を使い分けており、法律の中に定義が書き込まれているわけではないのですが、「生徒」は中学生や高校生に対する呼称で、大学・大学院・短大などで学ぶ人は「学生」と呼ばれています。日本語圏においては、「学生」は自立的に学ぶ者、「生徒」は教え導かれるもの、という意味を込めて使い分けがなされてきたこともあり、「生徒」にはやや幼いニュアンスがあります。なので大学生の皆さんも、自分たちのことを「生徒」とは呼ばず、「学生」として呼ぶのをおすすめします。(参考:伊藤茂樹「学生と生徒」

ただ、元々の言葉の意味には両者に大きな違いはないし、英語にすればどちらもstudentなので、この使い分けはあまり厳密なものではありません。私は絶対やりませんが、大学教員の中にも「生徒」を使う人が時々います。京芸が授業に使っているGoogle Classroomというツールでも「生徒」と表記されていますが、これは同ツールが元々英語から翻訳されていることと、小中高でも使われているためでしょう。

メールの書き方

教員に電子メールで連絡を取ることがあると思います。その時には以下のことに気を付けて下さい。

メールの件名には必ず内容を書く

メールの件名には、「〇〇(授業名)の課題について」など、内容が分かるものを必ず書いて下さい。一般に大学の教員は一日にとても多くのメールを受けとります。なので「あ、そういえば〇〇の授業の履修生から質問メールが来てたな…」と思って後から受信トレイを検索して探す、ということが日常的に起きます(そうはならないようにきちんと管理している方もおられると思いますが…)その時にメールを検索するためのキーワードが入ってないと、メールを見つけられなくなります。

本文中に宛て名と差出人名を書く

メール本文の冒頭には「〇〇様」「〇〇先生」のように、誰に宛てたメールなのかを明示します。教員が受けとるメールには、受信者本人に宛てられるものもあれば、教員のメーリングリストのように大勢に対して一斉に送られているものもあります。また、稀にメールアドレスの間違いや勘違いなどで、自分宛ではないメールが届くこともあります。その際に本文中に誰宛なのかが書いてないと、「これは自分が返信すべきメールなのか…?」と迷ったりすることがあります。また、設定によってはメールの差出人のアドレスや差出人名だけでは誰かわからないこともありますので、本文中に、自分の名前や所属、授業の場合は履修している授業名など、受けとった人が「誰からのメールか」がちゃんとわかる情報を書き込んでおいて下さい。

これらは儀礼的なマナーとかではなくて、必要な連絡を確実にするための実際的な理由であることは分かって頂いたと思います。SNSやGoogle Classroomなどのメール以外のツールで連絡する時も、以上の理由がわかっていれば、それぞれのツールの適性に合わせて応用して下さい。

大学の教員の呼び方について

大学の教員=教授ではありません。教授は「教授」「准教授」「講師」などのいわゆる「職階」のうちの一つです。ドラマやマンガなどで「〇〇教授」と呼びかけるシーンがありますが、書類や新聞記事などの堅い文章で書かれる場合を除くけば、そういう呼び方をすることは普通ありません。

大学の教員のことは、「〇〇先生」と呼んでおけば無難です。ただし大学の中には「先生」を使わない文化をもった分野もあります。私の出身である天文学や物理学の分野もその一つで、教員と学生(特に大学院生)はキャリアの差はあれど研究者として対等な存在であると考え、お互いに「〇〇さん」で呼び合ったりします。民主的でよい文化だと思います。が、たまにこの文化を強く内面化している人もいて、学生が「〇〇先生」と呼んだら「先生と呼ぶな、さんづけで呼びなさい」と怒られたりすることが昔はありました。個人的にはそこまで厳密にされるとちょっとめんどくさいな…と思います。ただ最近はそこまで潔癖な人は減っているような気もします。

大事なことは「お互いに」敬意を持って接することだと思います。もし教員の方から学生に対して高圧的、あるいは侮蔑的な態度を取るようなことがあったら、それはとても良くないことです。そういうことがあったら、周囲の信頼できる教職員に相談しましょう。

ちなみに「教官」という言葉があります。「官」は政府で働く人(公務員)という意味があります。かつて国公立大学で教えている人は「教官」だったのですが、今はほとんどの大学が国立大学法人や公立大学法人などの「独立法人」となって、そこで働く人は形式的には公務員ではなくなりました。これに合わせて、今では「教官」ではなく「教員」という言葉が使われています。京芸も2012年から公立大学法人になっています。(参考:公立大学法人への移行について)

それから大学の教員には、その大学が主たる勤務先であり、授業だけでなく大学の運営も担う「常勤教員」と、特定の授業だけを担当する「非常勤講師」がいます。それぞれの授業についての質問等はその授業を担当する教員に聞いて下さい。授業の内容や進め方以外の、大学生活に関する一般的な質問は、常勤教員か教務学生課などの事務室に聞いて下さい。

なお京芸の常勤教員のリストは大学のホームページにあります(https://www.kcua.ac.jp/professors/)。京芸の常勤教員には「専任教員」と「特任教員」がいて、専任教員は教育・研究だけではなく、様々な大学の運営方針を決めたり、地域や社会との連携事業や大学広報などの仕事を事務系の職員の方々と一緒に担う「大学運営」の仕事も担当します。「特任教員」は(少なくとも書類上は)大学運営の仕事は担当せず、教育研究のみが仕事で、かつ任期が3〜5年程度で決まっています。ただしこれは京芸における「特任教員」の意味で、他大学では別の使い方をしている場合もあります。

(そのうち、レポートの書き方とかも追記します)